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セルラスの目指す世界

人と向き合い、人と一緒に、違いを尊重し学び合える世界

NPO法人 多言語広場CELULASは、多言語習得活動を基盤にして「世界に通じる人材育成」の環境作りを目的に、2002年5月、内閣府(現在は東京都所轄)の認証を得て設立しました。

 

◆多言語で開かれる世界 ― セルラスの多言語習得活動

「ことば」は人間存在であり、「ことば」は人間の成長に大きく係わる重要な要素です。
セルラスの目指す多言語習得活動は、単に外国語が話せることのみを目的とするのではなく、むしろ、語彙の多少に関わらず、色々な国の人々や言語に触れ、多言語・多文化を受容する能力を育むことにあります。
1ヵ国語ずつを順番にしっかり学ぶのではなく、複数のことばに同時に触れて行きます。
そもそも人間の言語には、人、文化、風俗、習慣等々が、もれなく付いています。
国内外の人々と一緒に、様々な言語に触れていく(多言語活動を行う)ことで、それぞれの言語と文化、風俗、習慣などを通した価値観、幅広い視野、柔軟な思考などが身についていきます。
そして活動の実践を通して、コミュニケーション力、多様性に対応する力、自分で考えて見つける力の育成を目指しています。

 

◆コミュニケーション力

多くの留学生や留学経験者にコミュニケーション力とは何か?
という質問に対してほとんどの人が語彙数のみではないと答えます。
そもそもコミュニケーション力とは「人と向き合う」姿勢を持つことが基本です。
相手のことばを受け止め、自分の思いを伝え、互いに通じることばを見つけることです。
人と直接会わずに手紙やE-mail、SNS等でコミュニケーションをとることもありますが、いずれにしても相手と真摯に向き合うことが大切なのです。

セルラスでは幼児から大人までが地域の会場に集まって、多言語のオリジナルストーリーにある様々な場面をロールプレイ(役割演技)します。
風景・状況・場面・登場人物の性格等々をディスカッションしながら、想像力と創造力を膨らませ場面のイメージを共有し、自分の意思で積極的にストーリーの場面を追体験します。
この共同活動を通して、ことば(多言語)の成長と同時に、人との関係を見つけ創り出す力、相手のことばを理解する力、そして相手に自分の意思を伝える力も育まれて行くのです。
「人と向き合う」姿勢を育成することこそがコミュニケーシュン力を育てる基本であると考えています。

 

◆多様性に対応する力

違うものに興味を持ち、その違いから学ぼうとする姿勢が生まれながらにして備わっている人は少ないでしょう。
むしろ違いを受け入れがたく、遠ざけたいと考える人の方が、多いのかもしれません。
しかし、すでに現代や近未来では、ダイバーシティ(多様性の受容)が重要かつ不可欠な能力になってきます。
持って生まれたものではない多様性への対応能力を育てるのには、体験を重ねて培っていく環境が必要です。

国や人種や社会が多様であるということだけではなく、人そのものが、言語、文化、嗜好、政治的な信条、宗教等々、一人ひとりが多様な背景を持っています。
セルラスは多言語習得活動を行いながら、ことば(多言語)に触れ、多様な背景を持った国内外の人々との交流を行い、また年代を超えた啓蒙事業を通して体験の領域を広げ、多様性への対応能力を培っていきます。

 

◆自分で考え見つける力

セルラスの多言語習得活動は、人間が家族や地域社会の言語環境の中で自然にことばを獲得して行くプロセスに学んでいます。
人が想像力と創造力を駆使し、自分の周りに起きているあらゆる現象を最大限に見つけているのは、0才から4〜5才位の時期ではないでしょうか。
その「自分で見つける」ことの本質に「ことば」があります。
ことば(言語行為を含む)の発育は、人としての成長に欠かせない重要な役割を担っています幼児期の圧倒的なことばの獲得は、自分で見つけ創り出しているのです。

私たちの活動には先生がいません。
教え、教わるのではなく、幼児から大人までが一緒に「見つけ、受け取りあい、育みあって」ことばと、ことばの秩序を見つけ続けて行きます。
日本の教育が、ともすると見つける力を育てるより、「覚えろ! 覚えろ!」を強調しているように思えてなりません。
しかしながら、時代が大きく変化して行く中で、より自分で考え、見つける力は不可欠なものとなっています。

セルラスの多言語習得活動は、ことばと、ことばが持つ内側の秩序を見つけ続けることで、「自分で考えて見つける力」をも育むことにつながっているのです。

 

◆世界に通じる人材育成  求められる人材像

グローバル化・AI(人工知能・ロボット)・IOT(「モノ」のインターネット化)などの急速な進化により、第4次産業革命という、未だかつて人類が経験したことのないような社会の変化が始まっています。
すでに、2030年頃には、ホワイトカラーの仕事の半分程度がAIに置き換わる可能性が高いと言われています。
現在の学校教育での暗記や計算能力を高める学習は、AIの得意とする分野なのです。
平成26年に中教審が出した21世紀型の教育では、従来型の学力、「大量の知識詰込み、知識量のみの学力」から、「思考力、判断力、表現力を含めた生きる力」へとあります。

将来、人材の評価基準は大きく変化して行くでしょう。
更なる大きな時代の変革に立ち向かえるのは、人と一緒に、人と向き合い自分のことばで多様な世界を見つけていける人材です。
多言語広場セルラスは、多言語習得活動を行いながら、コミュニケーシュン力、多様性への対応能力、自分で考え見つける力を育てあい、世界に、社会に貢献できる人材の育成に努めて行きます。

 

特定非営利活動法人 多言語広場 CELULAS  理事長 鈴木 隆志


 

CELULASの多言語習得3原則

今や地球上の全ての動物たちに君臨しているかのような人間ですが、私たちはライオンのような牙も、チータのような足も、象のような力も持っていません。
多くの動物は産まれて数時間で自足歩行が出来るようになりますが、生まれたばかりの人間の子に、誰も手を差し伸べないで放置しておくと死んでしまいます。
人類誕生の頃は、「生きていくこと」そのものが、人間にとってものすごく困難なテーマであったに違いありません。そんな人間が必然的に集まり寄り添いながら「生きていく」という大テーマに向かって支えあっていく中で、共通の意思を伝え合う為に仲間と一緒に「ことば」を見つけあい、育てあって創り出してきたのでしょう。もちろん音声言語になる前に意思を伝えようとする動作、表情などあらゆる表現を駆使して相手に意思を伝えようとしたのではないでしょうか。

人間が家族や地域社会の言語環境の中で自然に「ことば」を獲得して行く過程では、「人と向き合い」「人と一緒に」を前提として「想像力+創造力」「言語音声」「必然性」が特徴的な秩序と捉え、多言語習得の3原則として実践に取り入れています。

〔1〕 想像力+創造力

人間は特別なことでもないかぎり一人の失敗者もなく、環境の中で自然に「ことば」を獲得していきます。翻訳する言語を持たない赤ちゃんは、語りかけられている「ことば」に対して、置かれている状況や場面、表情、言語音声の強弱等々を感じながら、想像力と創造力を駆使し、語りかけられている意味を見つけて行きます。
私たちも日常の対話で相手の「ことば」を聞き、想像力でその意味を見つけ、創造力で双方が理解し合えるような「ことば」を創り出し伝えようとしています。人類が営々として見つけ育み創り出して来た「ことば」は、唯一人間だけが持っている想像力と創造力によって成されてきたものです。

〔2〕 言語音声

人は誕生と同時に言語音声をシャワーのように受けながら、単語や発音、文法を覚えようとするのではなく、その言語音声の持つメロディーとリズム(ことばの器、パターン)を捉えて行きます。日本語にも韓国語、英語、スペイン語、その他全ての音声言語にも、その言語が持つ独特のメロディーとリズムがあるのです。環境の中で自然に言語を獲得するプロセスでは、個々の言語音声を足し合わせて「ことば」にするのではなく、その言語が持つ全体のメロディーとリズムに包含された「ことば」の内側の秩序(文法)を見つけながら捉えて行くのです。幼児のことばの発育時に文法を教えている例はほとんどの場合ありません。しかし自然な環境の中で「ことば」を獲得し、話し始めるプロセスでは文法を間違えることは少ないのです。言語音声の持つメロディーとリズムにはそれぞれの言語の文法も組み込まれているのです。

〔3〕 必然性

人間は意思を伝える必然性があったから、あらゆる意味での言語を見つけ創り出して来たのでしょう。
自分の意思の表現を受け取ってくれる相手がいるから「ことば」は必要なのです。
赤ちゃんが、家族や地域社会の言語環境の中で「ことば」を見つけ続けていくのは、「ことば」を、教え教えられるという場としてその環境があるわけではなく、日常の生活の中でことばを見つけ、創り、伝え、育むという営みが出来る必然の場であったからです。

※「何しているの?」参照